第二の故郷・石垣島で感じる、観光産業の未来と変わらぬ原点

石垣市(沖縄県)ーー1718ニホン探索(100/1,718)

石垣市(沖縄県)の現地取材写真

玉取崎灯台近くに咲くハイビスカス

石垣市(沖縄県)の現地取材写真(2)

市内中心地にある「ユーグレナモール」

「1718ニホン探索」の取り組みも、最初の区切りとなる100市町村目を迎えました。その記念すべき節目に訪問した場所は、私自身が1998年に初めて足を踏み入れて以来、28年にわたって100回以上通い続けている、私にとって第二の故郷とも言える沖縄県石垣島です。

この地は、私が2005年に仲間二人と共に創業した株式会社ユーグレナが、世界初の屋外大量培養を実現し、現在も唯一の生産拠点を構える特別な場所です。さらに遡れば、母が起業した株式会社ハイクロレラに所属していた時代から通い詰めた町であり、思い入れの強さは語り尽くせません。今回は市長のスケジュール都合により、石垣市の主要産業である観光産業を管轄する企画部観光文化課の責任者にお話を伺い、現在の状況や今後の課題について意見を交わしました。

訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。

Yo、730(ナナサンマル)交差点。ここが島の鼓動の交差点。
おわりよー。三線の音色に、潮風がリンクする。
ISG(アイエスジー)、日本の最南端から、世界へ響かせこのライム!

石垣アイランド、誇り高き美ら島(ちゅらしま)
青い海と太陽(ティダ)に抱かれ
川平(かびら)のエメラルド、心を奪う
モールを歩けば笑顔が揃う
伝統を胸に、未来を開け
石垣の風は止まることなく
ゆいまーるの絆で明日へ飛ばせ!

オーリトーリ!まず向かうは川平湾(かびらわん)
グラスボート揺られ見る神秘のプラン
玉取崎からのぞむ絶景
パノラマのブルーに誰もが納得
腹が減ったら石垣牛のステーキ
とろける脂、これぞ島のエナジー
八重山そばにコーレーグース
飲み干すスープ、最高のルーツ
夜は泡盛、カチャーシーで乾杯
星空の下、悩みなんてバイバイ!

夕暮れ時、歩くユーグレナ・モール
お土産と歴史が混ざり合うソウル
忘れないで、この島が起こした奇跡
2005年、世界が震えた奇跡
世界で初めて、この空と太陽(ティダ)の下
ユーグレナの屋外大量培養、成功させた
それは島で起こった、緑のイノベーション
離島ターミナルから繋ぐネクスト・ジェネレーション
小さな命が夢を運ぶ
わぬたちの未来は青く輝く

バンナ公園から見おろす街並み
ハイムルブシが照らす足並み
「マーサン」も「アチサ」も全部
この島が生み出した最高の宝物
アキサミヨー!って驚くような進化を
これからもこの場所で刻んでいこう

石垣アイランド、誇り高き美ら島(ちゅらしま)
青い海と太陽(ティダ)に抱かれ
川平(かびら)のエメラルド、心を奪う
モールを歩けば笑顔が揃う
伝統を胸に、未来を開け
石垣の風は止まることなく
ゆいまーるの絆で明日へ飛ばせ!

にふぇーでーびる。またん、あちゃーや。
豊かな自然、最高の食、そして世界を変える緑。
俺たちの石垣島。ワン・ラブ。
(石垣アイランド ウィー・ラブ アンド ピース)

通年で底上げが進む観光業と、冬場の新たな挑戦

インタビューの冒頭で話題に上がったのは、かつては閑散期とされていた冬季の観光動向です。これまで長きに渡り、この島では11月から2月にかけて観光客が大きく減少する傾向がありましたが、近年は国際線の通年運航(韓国・仁川便や台湾の台北・高雄便など)が定着し、少しずつ底上げが進んでいます。冬場であっても、1月の石垣マラソンや2月のプロ野球キャンプ、スポーツ合宿、そして旧正月を迎えるアジア圏からの旅行需要によって、一定の人の流れが生まれているのは心強い変化です。

一方で、「雨の日の過ごし方」や「冬のアクティビティの少なさ」という長年の課題は依然として残されています。例えば、与那国島では冬場にハンマーヘッドシャークを求めて世界中からダイバーが集まるという強力な集客要因がありますが、石垣島にはそれに匹敵する冬のキラーコンテンツがまだ不足しています。その解決策の一つとして期待されているのが、全天にある21個の一等星を一晩ですべて観察できるという八重山の夜空を活かした星空観測の取り組みです。天候に左右される難しさはあるものの、冬の夜の魅力を再定義する大きなポテンシャルを秘めています。

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:通年で底上げが進む観光業と、冬場の新たな挑戦

ユーグレナ石垣島離島ターミナル

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:通年で底上げが進む観光業と、冬場の新たな挑戦(2)

離島の多い八重山地域の「玄関口」となっている「ユーグレナ石垣島離島ターミナル」

広域連携と「三大焼肉の街」の可能性

さらに議論は、竹富町や与那国島など周辺離島を含めた「八重山としての広域観光」へと広がりました。石垣島は離島への玄関口であるため、観光協会やDMOがより緊密に連携し、統一されたガバナンスや情報発信を行うことが、マナー向上やデータの共有、自主財源の確保の観点からも不可欠になっています。3市町で連携したDMOの活動も始まっており、今後更に連携強化をする事より3市町に跨る観光の流れを作っていけると、より一層八重山地域全体が盛り上がるのではないでしょうか。

また、ユニークな取り組みとして紹介されたのが、北海道北見市、長野県飯田市、そして石垣市の3地域による「三大焼肉の街」の連携スタンプラリーです。人口当たりの焼肉店数が多いという共通点から始まったこの企画は、オフシーズンを含めた移動の動機づくりとして非常に面白い試みだと感じました。北見の冬の氷上焼肉のような尖ったコンテンツと組み合わせることで、季節を問わず足を運ぶ理由がさらに強まるはずです。

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:広域連携と「三大焼肉の街」の可能性

バンナ公園の展望台からは、市街地だけでなく「竹富島」「西表島」等の離島が眺めます。

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:広域連携と「三大焼肉の街」の可能性(2)

沖縄県最高峰の於茂登岳

取材を終えて、平久保崎とエコロードへ

インタビュー後、私は島北部の平久保崎を目指して車を走らせました。その道中で話題に挙がった、赤石集落から平野へ抜ける未舗装の私道「エコロード」にも足を運んでみました。牛や馬が間近に見られ、手つかずの美しい景観が広がるとても魅力的なスポットでした。ゲートを自分で開閉して敷地に入るその仕組みも、エコロードをより引き立てていました。一方で、道幅の狭さや通信環境、牧歌的なゲートの管理など、観光地としてのルール作りや整備の難しさも肌で感じました。こうした新しいスポットの台頭には、地元の生活や自然環境への配慮が欠かせません。

玉取崎灯台や川平湾といった定番の美しさはもちろん、こうしたローカルな表情の裏側にある課題や挑戦に触れるたび、石垣島という観光地が持つ奥深さを改めて思い知らされます。夏の圧倒的な青さだけでなく、冬の新しい楽しみ方をどう創出していくか。100市町村目という節目の地で、観光産業のこれからの可能性と向き合う非常に濃密な一日となりました。

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:取材を終えて、平久保崎とエコロードへ

島内人気No1.の観光地「川平湾」

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:取材を終えて、平久保崎とエコロードへ(2)

エメラルドグリーンの海を眺める「玉取崎灯台」

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:取材を終えて、平久保崎とエコロードへ(3)

石垣島最北端にある「平久保埼灯台」

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:取材を終えて、平久保崎とエコロードへ(4)

石垣島サイエンスガーデン

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:取材を終えて、平久保崎とエコロードへ(5)

最近話題の「平久保半島エコロード」

石垣市(沖縄県)の現地取材写真:取材を終えて、平久保崎とエコロードへ(6)

大人気の明石食堂の「ソーキそば」

石垣市の情報まとめ

沖縄県の八重山地方に位置する、人口約4万9千人の都市。世界屈指の透明度を誇る海と豊かな自然に囲まれ、日本最南端の美しいリゾートアイランドとして国内外から年間を通じて多くの観光客が訪れる、八重山諸島の政治・経済・交通の中心地である。

産業:基幹産業は観光業であり、ホテルや飲食店、マリンレジャーをはじめとするサービス業が経済を牽引する。また、豊かな自然を活かしたサトウキビ栽培やパインアップルなどの農業、畜産業、そして最先端のバイオテクノロジー産業(ユーグレナの培養など)も展開されている。

文化・観光:八重山諸島の離島(竹富島、西表島、与那国島など)へ向かうハブ拠点としての役割を持つ。川平湾などの絶景スポットに加え、伝統的な琉球文化や島唄、独自の食文化が色濃く残っており、近年では星空ツーリズムやスポーツコンベンションの誘致にも力を入れている。

グルメ:石垣牛を使用した焼肉やステーキ、じっくり煮込んだスープが絶品の八重山そば、マグロなどの新鮮な島魚、島野菜を使った郷土料理など、美食の宝庫としても知られている。

今回お話を伺った方

石垣市企画部観光文化課の責任者 島の基幹産業である観光業の現状を把握し、季節ごとの誘客施策や周辺離島(竹富町・与那国島)との広域観光連携、さらには新たな観光資源の発掘と持続可能な地域づくりの陣頭指揮を執る。

筆者プロフィール

福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ 代表取締役。1975年愛媛県生まれ。18歳で渡米し、異文化の中で「日本の価値」を再認識。帰国後、株式会社ユーグレナの創業に参画し、取締役として東証一部(現プライム)上場に貢献。「ミドリムシで地球を救う」活動に20年捧げた後、2025年、原点である地方創生を目指し「ニホンノチカラ」を創業。全国1,718市町村を巡り、地方の宝を発掘する「1718ニホン探索」を継続中。

福本拓元(株式会社ニホンノチカラ代表)
福本拓元(株式会社ニホンノチカラ代表)(2)

共同創業者の一人として著者が参画した株式会社ユーグレナが、世界で初めての屋外大量培養に成功した八重山殖産株式会社(現ユーグレナ子会社)の工場。