晴れの国で出会った、市民の心に深く息づく「文化と芸術の街」の底力

岡山市(岡山県)ーー1718ニホン探索(99/1,718)

岡山市(岡山県)の現地取材写真

烏城として有名な「岡山城」

岡山市(岡山県)の現地取材写真(2)

表町商店街には「美術・文学」に触れる事が出来るスポットが点在しています。

日本全国1,718の市町村を自らの足で巡り、地域の隠れた宝を発掘する「1718ニホン探索」。第99番目の訪問地に選んだのは、瀬戸内海の豊かな自然と温暖な気候に抱かれた「晴れの国」、岡山県岡山市だ。

かつて私が愛媛で過ごした日々や、ユーグレナの創業前後に車を走らせて西日本を巡っていた頃、岡山といえば「晴れの国」であり、桃やマスカットといった豊かな果物王国という印象が強くあった。しかし、この20〜30年の間に、岡山市は美術やアート、そして文学といった文化が静かに、しかし力強く息づく街へと進化を遂げていた。その背景にある街の空気に触れるため、私はまず岡山市役所へと足を運び、北川由佳副市長に話を伺った。

訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。

Yo、晴れの国から吹くぜフェーン現象
晴天率高め、いつも絶好調
岡山のビートに体を預けな
準備はいいか? Let's get it on!

目覚める朝はいつも青空
旭川の風、肌をかすめる午前8時
白桃の甘さみたいにジューシーな日々
口ずさむメロディ、ずっとハッピーに
「でーれースゲー」景色、広がる後楽園
歴史の息吹感じて、歩く表町(おもてちょう)のレーン

烏城(うじょう)の黒い天守閣に映えるゴールド
戦国のロマン、この街のソウルだ
だけれどオールドだけじゃねぇ、コンテンポラリー
街じゅうがキャンバス、アートのセオリー
岡山芸術交流、世界中から集まるクリエイター
おめえさんもおいで、最高のスペクテイター

晴れの国、岡山のプライド
歴史とアートがクロスするサイド
果物の恵み、あふれるこの街で
キミと奏でる、終わらないパレード
(でーれー好きじゃけぇ)
(その笑顔が最高じゃん)
岡山クルーズ、ずっと手をつないで

はれのわで響く演劇の調べ
アート&ブック巡る、秘密の隠れ家
障害者アートの持つまっすぐなパワー
胸を打つ色彩、時を忘れるドロウア
「なんがでっきょん?」って声かけ合う温もり
この街の優しさが、私の宝物

マスカットの香り、鼻腔をくすぐる秋
シャインな輝き、ジューシーな一粒に
桃太郎もびっくり、現代の鬼退治
退屈な日常、ここで一網打尽
ローカルの誇り、胸に刻んでフロウ
岡山のストリート、止まらないクロウ

古い歴史と、新しい感性が交差する
この街の鼓動が、俺たちの背中を押す
晴れ渡る空に、声を響かせろ!

晴れの国、岡山のプライド
歴史とアートがクロスするサイド
果物の恵み、あふれるこの街で
キミと奏でる、終わらないパレード
(でーれー好きじゃけぇ)
(その笑顔が最高じゃん)
岡山クルーズ、ずっと手をつないで

PEACE OUT... 岡山、最高。
また会おうぜ、この街で。
(また来てな!)


市民の自発的な営みが創り出す、文化と芸術の土壌

岡山市役所で北川副市長と対談する中で印象的だったのは、この街の文化的活動が行政主導の無理なブランディングではなく、市民の自発的な活動や歴史的な層の厚さに支えられているという点だ。

毎年秋口になると、市街地では音楽祭や講演が行われる「おかやまアーツフェスティバル」が開催され、市民が日常の中で芸術を楽しんでいる。さらに驚いたのは、岡山市が日本で唯一、ユネスコの「文学創造都市」に認定されていることだ。児童文学者・坪田譲治氏を冠した文学賞を40年以上続け、小川洋子氏、天川栄人氏をはじめとする地元出身の作家たちとのネットワークを活かした「おかやま文学フェスティバル」も盛んだ。表町商店街を歩けば、新しい本屋が生まれ、文化が若者や日々の暮らしに溶け込んでいるのを肌で感じることができる。

特に関心を惹かれたのは、障害者の方が描いたアートを公用車10台にラッピングして街を走らせるという職員発案の取り組みだ。これは民間発の「ヘラルボニー」のコンセプトに感銘を受けた職員が発意したものだという。岡山市内には県立美術館、オリエント美術館、夢二郷土美術館など、人口比で見ても通常より多めの10箇所近くの美術館がコンパクトにまとまっており、それらを鑑賞するだけでなく、市民の文化・芸術活動も盛んで、茶道、華道などの活動をしている人の割合は全国より多く京都に近いようです。藩主・池田家が閑谷学校を開くなど、教育と文化を重んじてきた歴史のDNAが、今も市民一人ひとりに脈々と受け継がれているのだと感じた。

街を歩けば、黒と白のコントラストが美しい「烏城(岡山城)」が夜のライトアップでさらに魅力を増し、そのすぐそばには日本三名園の一つである「岡山後楽園」が広がる。3年前にオープンした新しい劇場「ハレノワ」や、若者でにぎわう「奉還町商店街」など、新旧の文化が心地よく共存する空間が広がっていた。

岡山市(岡山県)の現地取材写真:市民の自発的な営みが創り出す、文化と芸術の土壌

岡山芸術創造劇場「ハレノワ」

岡山市(岡山県)の現地取材写真:市民の自発的な営みが創り出す、文化と芸術の土壌(2)

障害者アート等に取り組む「ありがとうファーム」

岡山市(岡山県)の現地取材写真:市民の自発的な営みが創り出す、文化と芸術の土壌(3)

表町商店街にある「art & books」の店舗群

環太平洋大学(IPU)で目撃した、感性と体育が融合する教育の熱量

岡山市内での学びをさらに深めるべく、私は環太平洋大学(IPU)を訪れ、大橋節子学長と対談する機会を得た。2007年に開学したIPUは、ニュージーランド、岡山、そして東京へとキャンパスを広げ、世界数十カ国から留学生が集うダイナミックなグローバル教育を展開している。

キャンパスに足を踏み入れた瞬間、その空間の美しさに圧倒された。主要な建物5棟は建築家の安藤忠雄氏が設計したものであり、学びの拠点「PHILOSOPHIA」や、天井が開いたパンテオンのような構造を持つ「TOPGUN」など、環境そのものが学生の感性を育むアートのようだった。

大橋学長が掲げる教育の核は「教育と体育の融合」だ。挨拶やアイコンタクト、立腰といった徹底した生活指導を通じて、社会で最も評価される人間力を育んでいる。アスリートとしての実績はもちろんのこと、学生が経営に参画する「学長補佐」制度などを通じて、自律的に未来を切り拓く主体性を育む教育の現場に触れ、私は強い感銘を受けた。知識を詰め込むのではなく、一人ひとりの可能性を信じ、共に歩む学長の姿には、教育の本質を見た思いがした。

岡山市(岡山県)の現地取材写真:環太平洋大学(IPU)で目撃した、感性と体育が融合する教育の熱量

環太平洋大学(IPU)の大橋節子学長(右)

岡山市(岡山県)の現地取材写真:環太平洋大学(IPU)で目撃した、感性と体育が融合する教育の熱量(2)

PHILOSOPHIA

岡山市(岡山県)の現地取材写真:環太平洋大学(IPU)で目撃した、感性と体育が融合する教育の熱量(3)

TOPGUN

訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。

Yeah... 岡山市の陽炎(かげろう) 揺らすコンクリート
打ち放しの壁に描く ストリーム
未来を切り開く 覚悟のキャンパス
IPU、ぶちかますぜ。Listen up!

コンクリートの幾何学(きかがく) 5つのレジェンド・ビルディング
瀬戸の風抜け抜ける ディスカバリーのフロア
プレゼンぶちかまし 磨くコミュニケーションのコア
「トップガン」じゃアスリートが限界を超える
鉄と光の空間が血と汗を潤す
海外からの風 中国、ベトナム、マリ
留学生10パーセント 混ざり合うストーリー
国境を越え手を取り合う グローバルなステージ
ここじゃ誰もが主役 ページめくる新時代(ネクスト・エイジ)

光と影のキャンパス 描くブルー・ビジョン
「4年後に責任を持つ」揺るがぬミッション
挑戦(チャレンジ)を恐れるな 一歩を踏み出せよ
岡山の地から世界へ響かせろ!
IPU! We are the future!
鳴り止まない鼓動(ビート) 胸に刻めよ!

大橋総長・学長が掲げる熱い理念
背中押す 教授と学生がタッグを組んで
法人化も企む 自ら仕掛けるビジネス
机上の空論じゃない 製品生み出すシックスセンス
柔道大学日本一 女子の誇り背負い
陸上・BMX アジアの頂点(てっぺん)を狙い
今この瞬間(とき)も世界でメダルを掴み取る
スポーツの血潮がこの街を熱くする
エンタメも巻き込み 新たな波を起こす
AIの時代だからこそ人間(ヒト)が輝き出す

古い常識なんてぶっ壊せ
ゼロから1へ 魂を削り出せ
岡山の空に描く 終わらない夢の設計図(スケッチ)
おどれらのプライド 見せつけてやれ!

光と影のキャンパス 描くブルー・ビジョン
「4年後に責任を持つ」揺るがぬミッション
挑戦(チャレンジ)を恐れるな 一歩を踏み出せよ
岡山の地から世界へ響かせろ!
IPU! We are the future!
鳴り止まない鼓動(ビート) 胸に刻めよ!

コンクリートに刻まれた 未来へのレガシー
俺たちの青春(ストーリー)は ここから始まる
IPU... Never stop challenging.
Peace out.

旅の終わりと、新たな挑戦へのエネルギー

今回の岡山市の探索では、美しい街並みや歴史だけでなく、そこで生きる人々の情熱に触れることができた。岡山の街が持つ文化的で温かい空気感は、私自身の原点を思い起こさせてくれた。

日本には、まだまだ私たちが知らない「隠れた宝」が眠っている。地方の数だけ物語があり、その一つひとつを発掘し、現代に再編集して世に解き放つことこそが、私たちが取り組む「日本再生」の道なのだ。

車を走らせ、人と出会い、その土地の空気を吸い込む。今年から始ったこの10年間の修行の旅は、私にとってかけがえのない財産であり、日本の未来を照らす確信へと変わっている。さあ、次はどんな街が私を待っているのだろうか。私の旅は、まだまだ終わらない。

岡山市(岡山県)の現地取材写真:旅の終わりと、新たな挑戦へのエネルギー

岡山城

岡山市(岡山県)の現地取材写真:旅の終わりと、新たな挑戦へのエネルギー(2)

岡山後楽園

岡山市(岡山県)の現地取材写真:旅の終わりと、新たな挑戦へのエネルギー(3)

林原美術館

岡山市の情報まとめ

岡山県の中南部、瀬戸内海に面した岡山平野に位置する、人口約70万人の政令指定都市。年間を通じて降水量が少なく温暖な気候から「晴れの国」として知られ、豊かな自然環境とアクセスの良さを活かして発展してきた、中国・四国地方の経済・文化の要衝である。

産業:温暖な気候を活かした農業が盛んで、白桃やマスカット・オブ・アレキサンドリアなどの高品質な果物生産王国として全国的に有名。また、交通の要所としての利便性を活かした商業やサービス業、医療福祉産業なども充実している。

文化・観光:日本三名園の一つである「岡山後楽園」や、黒壁の美しい「岡山城(烏城)」をはじめとする歴史的資産が豊富。近年では美術や演劇、文学が市民の生活に深く根付いており、ユネスコの「文学創造都市」にも認定されるなど、文化と芸術の街としての顔を持つ。

グルメ:名物の「デミカツ丼」や、新鮮な海の幸を活かした「岡山ちらし寿司」、瀬戸内の魚介類など、独自の食文化が息づいている。

今回お話を伺った方

岡山市 副市長 北川 由佳(きたがわ ゆか)氏 国土交通省での豊かな行政経験を活かして岡山市の市政を支える。市民の自発的な文化活動を温かく見守りながら、自身も観劇や読書、マルシェでの買い物など岡山市での生活を楽しんでいる。

環太平洋大学(IPU)学長 大橋 節子(おおはし せつこ)氏 40年間にわたる不登校児支援の経験を原点に、「教育と体育の融合」を掲げて人間形成を重視した教育を実践。学生を「宝物」と捉え、感性を育むキャンパス環境の整備やグローバルな視野を持つ人材育成に情熱を注いでいる。

筆者プロフィール

福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ 代表取締役。1975年愛媛県生まれ。18歳で渡米し、異文化の中で「日本の価値」を再認識。帰国後、株式会社ユーグレナの創業に参画し、取締役として東証一部(現プライム)上場に貢献。「ミドリムシで地球を救う」活動に20年捧げた後、2025年、原点である地方創生を目指し「ニホンノチカラ」を創業。全国1,718市町村を巡り、地方の宝を発掘する「1718ニホン探索」を継続中。

福本拓元(株式会社ニホンノチカラ代表)