名水「うちぬき」が育む産業と暮らし、そして新幹線の父・十河信二を朝ドラへ!
西条市(愛媛県)ーー1718ニホン探索(83/1,718)
水の郷西条市内には、うちぬきの湧水溢れるスポットが沢山
全国1,718の市町村を自ら車で巡り、地方に眠る宝を発掘して世に解き放つ「1718ニホン探索」。83番目に訪れたのは、私の生まれ故郷である愛媛県新居浜市の隣町、西条市です。
少年時代から幾度となく訪れてきた西条市ですが、起業家として、そして地域創生の探索者として改めて足を踏み入れると、この町が持つ類まれなポテンシャルの高さに目を見張ります。
訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。
Yeah, 水の都 SAIJO CITY 石鎚の麓から 響かすBeat こがなエエ街、他にはないけん 西条の風を 感じてみんさい! 澄んだ水が湧き出る SAIJO TOWN 秋が来りゃ 滾る血が騒ぐだんじりの音(ね) 瀬戸の風吹く 豊かなこの大地で 夢を繋いでく どこまでも遠くへ ほやけん西条! 最高なMy Home Town! 見上げりゃ西日本最高峰 石鎚山(いしづち) 清らかな加茂川 街へと導き 地面にパイプ打ち込みゃ 湧き出る恵み 「うちぬき」の冷たさ 喉越し贅沢に 水道代タダ? マジな話やけん 生活潤す アクアトピアの源 米の作付け県内ナンバーワン 実る稲穂 黄金色のパノラマ 澄んだ水が湧き出る SAIJO TOWN 秋が来りゃ 滾る血が騒ぐだんじりの音(ね) 瀬戸の風吹く 豊かなこの大地で 夢を繋いでく どこまでも遠くへ ほやけん西条! 最高なMy Home Town! 自然だけやない 工業もトップクラス 出荷額八千億のタフな底力 田舎暮らしの本 堂々の首位 四部門で二連覇 住み心地がいい! おいでぇや西条 住めば都やけん 人の温かさに 触れてみんさいね 駅前で待っとる 夢の超特急 十河信二のスピリット 朝ドラへRide on! 水が繋ぐ人の輪 暮らし支える豊かな技 太鼓の音が響く秋空 ずっと変わらん誇りやけん! 澄んだ水が湧き出る SAIJO TOWN 秋が来りゃ 滾る血が騒ぐだんじりの音(ね) 瀬戸の風吹く 豊かなこの大地で 夢を繋いでく どこまでも遠くへ ほやけん西条! 最高なMy Home Town! 湧き水のように 尽きん想い ずっとこの街と 生きていくけん SAIJO CITY, One Love...!
奇跡の湧水「うちぬき」とアクアトピア構想が支える暮らし
西条市に足を踏み入れてまず驚かされるのが、圧倒的な「水の力」です。西日本最高峰・石鎚山の懐に抱かれたこの地には、名水百選にも選ばれた自噴井「うちぬき」が市内各所に点在しています。
驚くべきことに、市役所周辺をはじめとする中心市街地では、家庭やマンションに水道管が通っておらず、地下水をポンプで汲み上げて生活用水として使っているエリアが今も残っています。蛇口をひねれば、年間を通じて約14℃前後の澄み切った天然水が贅沢に流れ出る。生活水が実質無料という、現代の日本では奇跡に近い環境です。
かつて国土庁(現・国土交通省)の「アクアトピア構想」のモデル都市に指定された西条市では、現在も市内各所の自噴スポットで湧き水を汲む市民の姿が日常の風景として溶け込んでいます。
この豊かな水資源は、暮らしやすさだけでなく産業の強固な土台となっています。西条市は愛媛県内トップの米の作付け面積を誇る農業王国であると同時に、製造品出荷額等が8,000億円を超える四国屈指の工業都市でもあります。豊かな水が農業と工業を両輪で力強く回しているこのバランスの良さこそ、宝島社「住みたい田舎ベストランキング」で4部門2年連続全国1位を獲得した西条市の揺るぎない底力だと実感しました。
市内中心部の「アクアトピア水系」には「うちぬき」が各所に。
「新幹線の父」十河信二をNHK朝ドラへ!広域連携で挑む物語の再編集
今回、西条市役所のシティプロモーション推進課で熱いお話を伺ったのが、「新幹線の生みの親」として知られる第4代国鉄総裁・元西条市長の十河信二(そごう しんじ)氏を題材としたNHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)の誘致活動です。
十河氏は新居浜市の中村(中萩)に生まれ、西条高校の前身である尋常中学校東予分校へ毎日歩いて通学した、まさに新居浜と西条をつなぐ偉人です。一度は疑獄事件で鉄道界を追われながらも第2代西条市長を務め、71歳にして国鉄総裁に就任。周囲の猛反対や数々の困難を乗り越え、1964年の東海道新幹線開通を成し遂げました。
現在、西条市・新居浜市・愛媛県の三者がタッグを組み、市民を巻き込んだ一大プロモーションを展開しています。単なる偉人伝にとどまらず、激動の時代を共に歩んだ北海道出身の妻・キクヨさんとの深い夫婦愛を軸に据えることで、朝ドラにふさわしい心温まるストーリーとして提案されています。伊予西条駅前の「鉄道歴史パーク in SAIJO」に佇む十河氏の銅像を見つめながら、私は地方が持つ「物語」の力強さを確信しました。
伊予西条駅前にある「鉄道歴史パーク in SAIJO」。新幹線の父「十河信二」の銅像が飾られている。
公民連携と広域連携が切り拓く地方の未来
今回の対談を含む各市町村への訪問を通じて強く感じているのは、自治体の枠を超えた「広域連携」と、行政と民間が手を取り合う「公民連携」の可能性と必要性です。
単独の自治体では解決できない課題も、隣接する自治体と連携すればスケールメリットを生み出せます。中小企業の人材育成を束ねる「まちの人事部」構想や、行政が柔軟なルールを整え民間が投資を行う共創モデルは、閉塞感を打ち破る強力な推進力になります。
日本人が持つ規律の高さや現場の技術力は世界屈指です。人口減少という構造課題すらも、AIや自動化技術の社会実装を加速させる好機に変えられるはずです。西条市が誇る水と産業、そして先人たちが遺した挑戦の歴史に触れ、「地方発!日本再生」への決意をさらに強くしました。
県内トップの作付け量を誇る西条の米作。
8000億円以上の工業出荷額を誇る。
西条市の中心を流れる「加茂川」
西条市の情報まとめ
愛媛県の東予地方に位置する、人口約10万人の田園工業都市。西日本最高峰・石鎚山の麓に広がり、名水百選に選ばれた豊富な自噴井「うちぬき」を有する「水の都」として知られる。名水に育まれた豊かな自然環境と充実した都市機能が調和し、移住定住先としても極めて高い人気を誇る。
産業: 豊富な地下水を生かした農業が盛んで、米の作付け面積・野菜生産量は県内トップクラス。臨海部には鉄鋼、非鉄金属、化学、造船、半導体などの工場が集積し、製造品出荷額等は8,000億円を超える四国屈指の工業都市。
文化・観光: 西日本最高峰の「石鎚山」、新幹線の父・十河信二の功績を伝える「鉄道歴史パーク in SAIJO」、市内各所で湧き出る「うちぬき」巡り。秋には豪華絢爛な屋台(だんじり・みこし・太鼓台)が奉納される「西条まつり」が街を熱気に包む。
グルメ: 名水で仕込まれた地酒や名水豆腐、特産の「絹かわなす」、愛媛県産かんきつ類、地元で愛されるご当地グルメ「西条てっぱんナポリタン」。
今回お話を伺った方
西条市役所 シティプロモーション推進課 ご担当者様 西条市の魅力を全国へ発信し、移住・定住促進や関係人口創出を担う専門部署。豊富な水資源と住環境を生かしたプロモーションに加え、愛媛県や新居浜市と連携した「十河信二氏のNHK朝ドラ誘致活動」など、地域の歴史と人を結ぶ先進的な広域発信事業を展開している。
筆者プロフィール
福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ 代表取締役。1975年愛媛県生まれ。18歳で渡米し、異文化の中で「日本の価値」を再認識。帰国後、株式会社ユーグレナの創業に参画し、取締役として東証一部(現プライム)上場に貢献。「ミドリムシで地球を救う」活動に20年捧げた後、2025年、原点である地方創生を目指し「ニホンノチカラ」を創業。全国1,718市町村を巡り、地方の宝を発掘する「1718ニホン探索」を継続中。












