富士山の恵みを次世代へつなぐ、伊豆の玄関口・三島市の「総合力」

三島市(静岡県)ーー1718ニホン探索(12/1,718)

伊豆の玄関口「三島市」へ。

「1718ニホン探索」の旅、12番目の訪問地として降り立ったのは、静岡県東部に位置する三島市です。

新幹線のホームに降り立つと、そこにはどこか凛とした空気が流れていました。古くは東海道の宿場町、そして伊豆への入り口として栄えたこの街は、現代においても新幹線や高速道路が交差する「交通のハブ」としての役割を色濃く残しています。

今回、三島市役所にて商工観光まちづくり課、および政策企画課の計3名の方々にお話を伺いました。そこで見えてきたのは、単なるベッドタウンでも観光地でもない、多層的な魅力を持つ三島の「底力」でした。

訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。

Yo, 富士の恵みが溶け出す街
どこまでも澄んだ水の記憶
三島、ここが俺らのHome Ground
心の洗濯、準備はいいか?

朝一の空気、胸いっぱいに吸い込み 
向かう先は三嶋大社、鳥居をくぐり 
歴史の重み、五感でFeel 
春のしだれ桜、心に染みるReal 

源兵衛川、せせらぎは天然のBeat 
中郷、徳倉、歩くこのFeet 
足元を見りゃ、透き通る流れ 
都会の喧騒、忘れさせてくれるだね 
楽寿園の緑、小浜池の神秘 
「ありゃあ、今日は水が少ねぇら?」なんて談笑 
近所のおっちゃん、交わす挨拶が勲章

水の都、三島 誇りを胸に 
富士の滴(しずく)が繋ぐ この絆に 
箱根の坂を越え 光る街並み 
愛してるこの街 「いいとこだもんで」 
ずっと変わらずに Flow continue..

腹が減ったら、香りに誘われ 
うなぎの蒲焼、タレが喉を潤せ 
富士の伏流水で締まったその身 
これ食わなきゃ語れねぇ、三島の誇り 
さらには三島コロッケ、ホクホクの馬鈴薯(ばれいしょ) 
箱根西麓の野菜は、マジで最高 
三島スカイウォーク、空を歩く感覚 
駿河湾まで一望、これぞ贅沢な視覚 
「こばちょ(少し)」寄ってけ、広小路 
夜は夜で語り明かす、地元のStory 
「のんきにしてられん」くらい熱いこのPassion

東海道の宿場町、受け継ぐDNA 
しゃぎりの音が響けば、血が騒ぐDay 
夏祭りの夜、叩く太鼓のリズム 
三島っ子の魂、刻むプリズム 
「おだっくい(お調子者)」でも構わねぇ 
この街を愛する気持ちは、誰にも負けねぇ

水の都、三島 誇りを胸に 
富士の滴(しずく)が繋ぐ この絆に 
箱根の坂を越え 光る街並み 
愛してるこの街 「いいとこだもんで」

(Fade out)
湧水のように、絶え間なく続くLove
三島、また明日もここで会おう
「おやすみだに、また明日な。」

「水の都」が支える豊かな暮らしと食

三島を語る上で欠かせないのが、富士山の雪解け水がもたらす豊かな湧水です。 市街地のいたるところにせせらぎがあり、街全体が潤いに満ちています。この水は生活の質を高めるだけでなく、地元の食文化にも深く根ざしています。

三島グルメの代名詞といえば「うなぎ」ですが、これも富士山の伏流水に数日間さらすことで、臭みが抜け、身が締まるのだといいます。また、農業においてもこの水の恩恵は絶大です。箱根西麓の傾斜地で、水はけの良い火山灰土壌と太陽の光をたっぷり浴びて育つ「箱根西麓三島野菜」は、その質の高さで知られています。

中でも、G1認証を取得した「三島馬鈴薯(メークイン)」を100%使用した「みしまコロッケ」は、市内80店舗以上で提供されるまさに市民のソウルフルフード。私も取材の合間に頂きましたが、ジャガイモ本来の甘みが際立ち、この土地の豊かさを一口で実感させてくれました。

三島の代表的なグルメ「鰻」

水資源に恵まれた三島の農作物は「みしまるかん」で。

ベッドタウンと観光、そして「ロケ」が創る一体感

三島の大きな特徴は、その「総合力」にあると感じました。 朝の新幹線は10分に1本。東京まで約45分という利便性から、東京・横浜方面へ通勤する子育て世代が多く暮らしています。

「人口減少は課題ですが、他地域に比べれば緩やかです」と語る担当者の方々の言葉からは、選ばれる街としての自信が伺えました。日本大学や順天堂大学のキャンパスもあり、若い世代の活気も混ざり合っています。

さらに興味深かったのは、最近力を入れているという「ロケ誘致」のお話です。 「オール三島でロケを受ける」という体制を整え、商店街を通行止めにして撮影を行うこともあるのだとか。市民や商店街の方々が非常に協力的で、街全体で「何か面白いことをやろう」という一体感がある。この空気感こそが、地方創生における最も重要な「資源」ではないでしょうか。

三島駅から東京駅は、新幹線で1時間以内

1300年以上の歴史がある「三嶋大社」

課題と未来:土地の制約を越える知恵

もちろん、課題がないわけではありません。 中心市街地がコンパクトにまとまっている一方で、新たな産業用地(土地)が不足しているという現実があります。工業団地を作ればすぐに埋まってしまうほど需要があるものの、急峻な山間部を開発するには莫大なコストがかかります。

しかし、三島には民間主導のエネルギーがあります。日本一の吊り橋「三島スカイウォーク」のような新しい観光スポットが、企業努力によってバギーやジップラインなどのアクティビティを次々と投入し、リピーターを獲得している姿は、まさに私が理想とする「地方の宝を世に解き放つ」実践そのものです。

三島スカイウォークは新たな観光資源

訪問を終えて

三島を歩いて感じたのは、歴史という縦糸と、現代の利便性という横糸が、富士山の清流によって美しく織り上げられた街だということです。

「財政や土地に余裕があるわけではない」という謙虚な言葉の裏側に、今ある資源を最大限に活かし、官民が手を取り合って街を盛り上げようとする熱量を感じました。私たち「ニホンノチカラ」も、こうした地域の方々の情熱に寄り添い、三島が持つ多層的な魅力をさらに広く、世界へと発信していくお手伝いができればと強く願っています。

三島の皆さん、貴重なお時間をありがとうございました。

源兵衛川の綺麗な水で夏は蛍も。

三島市の情報まとめ

静岡県東部、富士山の南麓に位置する人口約10万1千人の都市。古くから東海道の宿場町、三嶋大社の門前町として栄え、「水の都」として知られる。富士山の湧水が市街地を流れ、柿田川などの豊かな水資源を背景に、農業や工業が発展。新幹線三島駅を核とした交通の要所であり、東京方面のベッドタウンとしての側面と、伊豆・箱根への玄関口としての観光拠点の側面を併せ持つ。

  • 産業: 観光業、サービス業、製造業、農業がバランスよく発展。特に箱根西麓での農業が盛ん。

  • 文化・観光: 伊豆国一宮「三嶋大社」、日本一長い歩行者専用吊り橋「三島スカイウォーク」、国の天然記念物「楽寿園」など。

  • グルメ: 富士山の伏流水で締めた「うなぎ」、三島馬鈴薯(メークイン)を使用した「みしまコロッケ」、箱根西麓三島野菜。

今回お話を伺った方

三島市役所 チーム三島の皆様 今回、お忙しい中で対応してくださったのは、商工観光まちづくり課の責任者を含むお二人と、政策企画課のご担当者様の計3名です。三島市は、行政と民間、そして商店街の距離が非常に近く、三島大祭やロケ誘致など「街をあげての盛り上げ」に定評があります。インタビュー中も、三島の魅力を語る皆さんの言葉からは、宿場町時代から続く「外から来る人を温かく迎え入れ、共に楽しむ」という三島市民特有のホスピタリティと、この街の「総合力」に対する確かな自負が強く伝わってきました。

筆者プロフィール

福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ 代表取締役。1975年愛媛県生まれ。18歳で渡米し、異文化の中で「日本の価値」を再認識。帰国後、株式会社ユーグレナの創業に参画し、取締役として東証一部(現プライム)上場に貢献。「ミドリムシで地球を救う」活動に20年捧げた後、2025年、原点である地方創生を目指し「ニホンノチカラ」を創業。全国1,718市町村を巡り、地方の宝を発掘する「1718ニホン探索」を継続中。