楠公の「義」が息づく街に、新しい風が吹く。
四条畷市(大阪府)ーー1718ニホン探索(16/1,718)
四条畷の戦いの舞台。大阪府四条畷市へ。
「1718ニホン探索」の旅、関西編の幕開けは、大阪府の東端に位置する四條畷市です。
四條畷と聞いて、歴史好きならピンとくるでしょう。南北朝時代、父・楠木正成の遺志を継いだ楠木正行(まさつら)が足利軍と激闘を繰り広げた「四條畷の戦い」の舞台です。
今回、企画広報課の責任者の方にお話を伺いましたが、そこには歴史の面影と、ベッドタウンとしての穏やかな日常、そして若きリーダーシップによる「行政の変革」という、非常にユニークな今の姿がありました。
訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。
Yeah... Check 1, 2... Shijonawate City. 生駒(もり)の裾野、歴史の鼓動。 聞こえるか? この街の叫びが。 It's my hometown, "Nawate" pride. 朝焼けの飯盛山(いいもりやま) 仰ぎ見てスタート この街の空気は いつだって最高 学研都市線に揺られて 帰る場所 忍ケ丘(しのぶがおか)から 広がるナワテ・フロー 「緑の街」って看板に偽りなし 田原の里まで チャリ飛ばす 道すがら 自然と都会が 絶妙なハーモニー 住んでみなはれ ここが一番の特等席 四條畷 俺らの居場所 歴史が息づく 誇り高き古都(まち) 四條畷 繋ぐよバトン 飯盛の風に乗せて 響けこの音 四條畷 俺らの居場所 歴史が息づく 誇り高き古都(まち) 四條畷 繋ぐよバトン 飯盛の風に乗せて 響けこの音 (Yeah, Nawate City! どっこい生きてるこの街で!) 語り継がなアカン 「四條畷の戦い」 楠木正行(まさつら)公の 熱い生き様 畷神社(なわてじんじゃ)の 桜に想い馳せ 三好長慶(ながよし) 天下を獲った城の跡 歴史マニアも うなるぜこのディテール けど堅苦しいのは抜き 俺ら地元流 「あそこ旨いんやんけ」って 教えてくれるオカン 人情味あふれる 会話が一番の御馳走やん 「何もない」なんて 言わせへんからな 「くすのき」の木の下 集まれば仲間 方言丸出し 「~やんけ」「~しはる」 北河内のリズムが 俺らの血に流れる 産業も地道に 未来へアップデート なわてまちなか 歩けば笑顔にゲート 小さい街やけど 愛はデカいぞ 一生ここに居るって 決めてるんや、ほんま 四條畷 俺らの居場所 歴史が息づく 誇り高き古都(まち) 四條畷 繋ぐよバトン 飯盛の風に乗せて 響けこの音 四條畷 俺らの居場所 歴史が息づく 誇り高き古都(まち) 四條畷 繋ぐよバトン 飯盛の風に乗せて 響けこの音 Yeah... 四條畷。 正行さんも長慶さんも、この景色を見てたんかな。 時代は変わっても、変わらへんもんがある。 この街の温かさと、俺らのプライド。 Shijonawate for life. おおきに、また明日もこの街で。
「2/3が山」という意外な素顔
市役所を訪れて話を伺った中でまず驚いたのは、市域の約3分の2が山に覆われているという事実です。 「大阪市内から電車で20分ほどの場所なのに、こんなに深い自然があるのか」 思わず身を乗り出しました。市域の中央に山がそびえ、東西で街が分かれている。その山中には「龍尾寺 権現の滝」のような美しい水辺や、巨大な「室池」があり、ハイキングコースも整備されています。
かつては「金網」などの町工場が盛んだったそうですが、現在はその多くが住宅地へと姿を変えています。それでも、四條畷神社を中心とした門前町の風情と、豊かな自然が共存している。この「適度な便利さと、圧倒的な静寂」のバランスこそが、子育て世代を引き寄せる四條畷の魔力なのだと感じました。
飯盛山山頂から眺める市街地
全国が注目した「史上最年少市長」の改革
四條畷市を一躍有名にしたのは、前市長・東修平氏の存在です。史上最年少市長(当時)として、28歳で就任。そのリーダーシップの下で行われた改革は、まさに「行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)」の先駆けでした。
今回、企画広報課責任者にお話を伺って特に感銘を受けたのは、「副市長の全国公募」です。 役所のしがらみにとらわれず、民間の知恵を借りる。実際にリクルート出身の女性副市長が誕生し、組織に新しい風を吹き込みました。また、市役所職員のテレワーク導入も早期に進めたとのこと。「役所だから窓口にいるのが当たり前」という固定観念を壊し、部門によって職員の働き方の選択肢を増やしたことは、全国の自治体が模範とすべき勇気ある一歩でしょう。
子育て世代への「本気」の投資
驚くべきデータがあります。30代の人口が全国的に減少する中で、四條畷市は「子育て世代の転入が8年連続で増加」しているのです。 その裏には、行政の「本気」の覚悟がありました。 「箱モノを作るだけでなく、人を大切にする」 その象徴が、保育士の処遇改善です。なんと、大阪府内最高水準の月額4万円もの手当を独自に支給しているといいます。
「公園が少ない」という市民の声に対しても、公共施設の再編(統廃合)で生まれた土地を公園に変えていくという。変化を恐れず、優先順位を明確にする。この姿勢は、人口減少に直面する全国の全ての市町村にも参考になるものだと強く感じました。
四条畷出身の絵本作家谷口智則氏の描くサンタクロースが、市内の名所に100体設置されている
課題は「稼ぐ力」
一方で、課題も明確です。 ベッドタウンゆえに「独自の産業」が弱く、ふるさと納税の所得も少ない状態で、返礼品も唐揚げや入浴剤など、地域の顔が見えにくいのが現状です。
但し、四條畷には、絵本作家・谷口智則氏が描いた「100体のサンタクロース」が街中に隠れていたり、アインシュタインの稲田直樹氏がPR大使を務めていたりと、クリエイティブな種がそこかしこに蒔かれています。
歴史的な「楠公さんの物語」と、現代の「クリエイティブな才能」、そして「町工場の技術」。これらを再編集し、世界が驚くような「四條畷ブランド」のプロダクトを生み出す事もできるのではないか?そう思わせるだけの魅力がこの町にはあります。
楠木正行公を主祭神として創建された「四条畷神社」
探索を終えて
四條畷神社へと続く参道を歩くと、まっすぐに伸びる道が、遠い過去と未来を繋いでいるように感じました。
古い慣習を打破し、新しいリーダーシップで街を耕してきた四條畷。
「地方発!日本再生」を目指す私にとって、この街は、自治体経営が「創造的な挑戦」になり得ることを証明してくれている。そう確信した訪問となりました。
四条畷神社から参道を抜けた先にある「楠木正行公の墓地」
四條畷市の情報まとめ
大阪府北河内地域に位置する、人口約5.5万人の都市。南北朝時代の古戦場として知られ、楠木正行を祀る四條畷神社を中心に歴史の薫りが漂う。市域の3分の2が北摂山系に属する緑豊かな土地でありながら、大阪市内へ電車で約20分という利便性を誇る。近年は若いリーダーシップによる行政改革やDX化で注目を集める。
産業:かつては金網や町工場などの製造業が盛んだったが、現在は住宅開発が進み、大阪・京都のベッドタウンとしての性格が強い。現在は補助金制度等を通じて新産業の育成や特産品開発に注力している。
文化・観光:楠木正行のゆかりの地である四條畷神社や、国指定史跡の飯盛山城跡が有名。また、市内に100体のオブジェを配置する「100人のサンタクロース」プロジェクトなど、アートによる街づくりも活発。
グルメ:楠木正行にちなんだ「南光饅頭」などの和菓子が親しまれている。最近では、地元の飲食店が連携したイベントや、ふるさと納税の返礼品開発に向けた新たな食の模索が続いている。
今回お話を伺った方
四條畷市役所 企画広報課 責任者 前市長時代からの行政改革を現場で支え、DX推進やテレワーク導入、シティプロモーションを牽引。市民サービスの向上と職員の働き方改革の両立を目指し、四條畷の魅力を多角的に発信し続けている。
筆者プロフィール
福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ 代表取締役。1975年愛媛県生まれ。18歳で渡米し、異文化の中で「日本の価値」を再認識。帰国後、株式会社ユーグレナの創業に参画し、取締役として東証一部(現プライム)上場に貢献。「ミドリムシで地球を救う」活動に20年捧げた後、2025年、原点である地方創生を目指し「ニホンノチカラ」を創業。全国1,718市町村を巡り、地方の宝を発掘する「1718ニホン探索」を継続中。







