豊臣兄弟が紡ぐ歴史の礎、大河の風が吹く大和郡山を歩く
大和郡山市(奈良県)ーー1718ニホン探索(102/1,718)
豊臣兄弟!大和郡山 大河ドラマ館
秀長が整備した「郡山城」跡
102番目に訪れたのは、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の放送により、街全体が熱気に包まれている奈良県大和郡山市だ。豊臣秀吉の弟・秀長が郡山城の整備を行い、城下町にはこの時代としては先進的な「箱本制度」という町割りを設けて、いまの大和郡山の礎を築いた地である。秀長が亡くなったのもこの場所であり、市民から絶大な尊敬と人気を誇る彼が主人公に抜擢されたことで、地元は大いに湧き上がっている。
2年前から準備を進めて大河ドラマ館を開設し、「秀長の輪」をめぐる観光コースを企画するなど、空前の秀長ブームに沸く現地に足を運んだ。今回は、大河ドラマ2026係を担う大和郡山市企画政策課の責任者に、ドラマに向けた取り組みや街の現状について話を伺うことができた。
訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。
Yo, 奈良の大和 郡山からMarshall 歴史のVibeで埋めるぜ Floor 秀長が描いたこのBlueprint 時代を超えて今鳴らすぜ、Listen! 堀の底、忍ばせたあの石垣 「ええ加減にせぇ」なんて言わん、気合が違う歴史 お城まつりじゃ金魚が泳ぎ 柳町筋、歩けば聞こえるやろ、その響き 郡山城、秀長が整えたこの街並み 城下町の町割り、今に繋ぐバトンタッチ 箱本の制度、民の自治の礎 古都の息吹、感じるか? この足元で 近鉄郡山、今変わるぜStation 再開発の波、見逃すなこのAction 大河の風受け、いざオープン大河ドラマ館 「秀長の輪」巡り、繋がるぜ絆のタスク 特産の金魚すくい、日本一のプライド 知らんけどじゃ済まされない、この街のサイド 郷土の誇り胸に、世代を超えてJump 歴史の深さと未来を繋ぐ Hip Hop 歴史と未来が交差するこのStreet 大和郡山、鳴り止まないHeartbeat 秀長が築いた礎に誓うぜ この街の灯火、決して消させはしねぇ Go around, 城下町、巡る「秀長の輪」 奈良の誇り背負い、俺らは歌うさ 郡山プライド、胸に刻めよ Mate 時代を塗り替える、俺たちのステージ 知っとるか? この街の旨いもん 御菓子司の甘さ、心まで染み込む 地元のソウルフード、一口でSmile 伝統の味、守り抜くLifestyle かつての城下、武士たちが歩いた道 今は俺らがマイク握り、描くBlueprint 古い新しい、そんな垣根はBlow away この街のストーリー、ここからDay by Day 駅前のリニューアル、これからが本番 街の活気、上げるぜエンジン全開 観光もビジネスも、一つになる輪 みんなで盛り上げようや、この大和の都から 方言混じりのRhyme、地元愛の証 全国に轟かす、俺らのメッセージ 行くぞ大和郡山、時は来たぜ今 歴史の続きを、俺らが紡ぎ出すんだ 歴史と未来が交差するこのStreet 大和郡山、鳴り止まないHeartbeat 秀長が築いた礎に誓うぜ この街の灯火、決して消させはしねぇ Go around, 城下町、巡る「秀長の輪」 奈良の誇り背負い、俺らは歌うさ 郡山プライド、胸に刻めよ Mate 時代を塗り替える、俺たちのステージ 大和郡山、止まらねぇぜ 秀長の意志を受け継いで 次の世代へ、Pass the mic Peace out.
大河の舞台としての戦略と挑戦
大和郡山市は、2026年の大河ドラマを機に豊臣家ゆかりの地であることを広くPRすべく、NHKと連携して大河ドラマ館を開設した。特設ウェブサイトを立ち上げ、ドラマ館や秀長、城跡などの情報を発信しながら、来訪者に城下町を回遊してもらう仕掛けを作っている。
これらの対応を円滑に進めるため、庁内には「大河ドラマ2026係」という専門の体制が組織された。準備はドラマ化決定の報せを受けてすぐに動き出し、令和6年4月の立ち上げを経て急ピッチで進められたという。ドラマ館は名古屋や長浜などゆかりの3市で実施しており、秀長が成人してからの晩年の5、6年を過ごし、城下町を築いたこの地こそが「一番のゆかりの地」であるという誇りが、街の隅々にまで満ちている。
等身大の豊臣秀長像
当時の郡山城のイメージ画像
渋滞や駐車場問題を乗り越える、歩く観光へのアプローチ
大和郡山市では、観光客に車以外での交通機関での来訪を呼び掛けている。取材当日はあいにく車で訪れてしまったが、担当者の話を聞いてその理由に深く納得した。もともと道が狭く一方通行も多いうえ、車を受け入れる十分な駐車キャパシティが元来備わっていないのだ。
市では、オーバーツーリズムによる混乱を防ぎつつ城下町をじっくり楽しんでもらうため、公共交通機関の利用を強く推奨している。JR郡山駅や近鉄郡山駅から徒歩圏内に主要スポットが収まっているため、駅を起点に歩いて巡るスタイルが基本だ。もちろん、遠方から来る年配の観光客向けに臨時駐車場を確保するなど配慮はされているものの、土日の混雑を避け、平日への分散化を図りながら持続可能な観光地づくりに知恵を絞っている。
源九郎稲荷神社
遊郭の建物だった「町屋物語館」
箱本館「紺屋」
秀長公の菩提寺「春岳院」
見どころあふれる郡山城跡と駅前再整備の未来
朝の時間帯に足を運んだ郡山城跡は、天守閣こそ復元されていないものの、石垣そのものが圧倒的な見応えを誇っていた。一度崩して復元された石垣には、本来城の石材ではない墓石などの「転用石」が巧みに組み込まれており、歴史の重層を感じさせる。
お城の中には、有名な「逆さ地蔵」や「兄弟石」、随所に設けられたビューポイント、美しく復元された橋などがあり、今回新たに整備された「大和郡山秀長の輪巡りマップ」を手にすれば、10〜20分ほどの散策で存分に歴史のロマンを体感できる。金魚の街としても名高い大和郡山市だが、秀長の時代背景を考慮し、今回の巡りマップではあえて金魚との結びつきを混ぜず、歴史軸をしっかりと際立たせる工夫がなされている。
また、ドラマの盛り上がりと時を同じくして、郡山駅前の再整備事業も進行中だ。人口約8万人のコンパクトな街ゆえに宿泊施設が少なく、日帰り観光が中心になるという課題はあるものの、古民家の利活用や空き家を活かしたカフェ・旅館づくりが少しずつ実を結び始めている。歴史の波をただのブームで終わらせず、次なる街の持続的なエネルギーへと昇華させようとする行政と市民の熱意が、この街の最大の魅力だと感じた。
取材日:2026年10月21日(水)
立派な石垣が残る「郡山城跡」
現在近鉄郡山駅周辺の再開発が進んでいる
大和郡山市の情報まとめ
大和郡山市は、奈良県の北部に位置する人口約8万人の都市。歴史的には豊臣秀長が郡山城を整備し、城下町の礎を築いた場所として知られ、近代以降は日本屈指の金魚の養殖・流通拠点としても全国に名を馳せている。
産業: 伝統的な地場産業である金魚の養殖が有名であり、全国に向けた出荷拠点として機能してきた。近年は歴史的資源を活かした観光産業等を通じた地域経済の活性化が進められている。
文化・観光: 郡山城跡や城下町の古い町並みが残り、歴史スポットが点在する。また、毎年開催される「全国金魚すくい選手権大会」など、金魚にちなんだユニークなイベントも文化的な特色となっている。
グルメ: 城下町の風情を感じさせる老舗の和菓子店や、地元の食材を活かした飲食店が点在し、歴史散策の合間に楽しめる多彩な味覚が揃っている。
今回お話を伺った方
大和郡山市企画政策課 責任者 大和郡山市の総合計画の策定や、2026年の大河ドラマ化を受けた観光振興・誘客事業を総括する部署に所属。ドラマ決定直後に立ち上げられた「大河ドラマ2026係」の陣頭指揮を執り、全国からの来訪者を迎えるための受け入れ体制の整備や、歴史的資源を活かした街の魅力発信に奔走している。
筆者プロフィール
福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ 代表取締役。1975年愛媛県新居浜市生まれ。高校卒業後に渡米し、University of Central Oklahoma へ入学。帰国後、株式会社ハイクロレラ(現エポラ)専務取締役として西日本を中心に営業活動に従事し、地方の課題と可能性を肌で知る。2005年8月、株式会社ユーグレナに共同創業者3人の一人として参画。取締役事業統括責任者として事業の立ち上げとマーケティング全般を管掌し、東証マザーズ・東証一部(現プライム)上場を果たす。創業20年・自身50歳の節目となる2025年11月、「地方発、日本再生!」をミッションに株式会社ニホンノチカラを設立し、全国1,718市町村を自らの足で巡る「1718ニホン探索」を開始。現在、株式会社ユーグレナ共同創業者/顧問、愛媛県新居浜市戦略アドバイザーなども務める。日本マーケティング大賞 第7回奨励賞受賞。
YouTube :@nihonnochikara1718
X(旧Twitter):@nihonnochika













