燦々と降り注ぐ太陽が育む極上の桃と、源義経の足跡息づく歴史の要所

国見町(福島県)ーー1718ニホン探索(85/1,718)

国見町(福島県)の現地取材写真

国見町の特産品「桃」

国見町(福島県)の現地取材写真(2)

あつかし千年公園の中尊寺ハス

全国1,718市町村を巡る「1718ニホン探索」の旅。85番目に訪れたのは、福島県の最北端に位置し、宮城県との県境に接する伊達郡国見町(くにみまち)です。

奥羽山脈と阿武隈高地に挟まれた福島盆地の北端に広がるこの町に入ると、なだらかな丘陵地にどこまでも広がる果樹園と、青々と広がる水田が目に飛び込んできます。古くは奥州街道の宿場町として栄え、奥州藤原氏と源頼朝が激突した古戦場「阿津賀志山防塁(あつかしやまぼうるい)」など、名高い歴史遺産を抱える町でもあります。今回は国見町役場を訪ね、企画調整課地域振興係のご担当者様にお話を伺い、町の魅力を探ってきました。

訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。

Yeah, 923(くにみ)girls in the building!
あつかしの風、感じてみで?
うぢらの町、国見町!Here we go!

朝焼けの阿武隈川 キラリ光る水面
奥州街道 歴史刻むストーリーの起点
阿津賀志山(あつかしやま)防塁 義経の夢の跡
時を超えて今も残る 誇り高き過去
「んだがらさ!」って笑い合ういつもの交差点
伝統と未来がクロスするこの拠点
弁慶もびっくり? うぢらのエナジー
見てがい、来てがい、国見のシナジー!

ピンクに染まる桃源郷(Pink! Pink!)
噛めばジュワッとあふれ出す果汁
ゴールドに輝くコシヒカリ(Gold! Gold!)
ふっくら炊き立て 最高のごちそう
「うめぇから食ってみらんしょ!」
国見の風に乗って届けるメロディ
ここがうぢらのワンダーランド
Sweet & Shining, Kunimi Town!

春は桜、夏はあつかし山ビッグバン
くだもの畑広がる 果樹園のオーシャン
桃だけじゃねぇべ? りんご、あんぽ柿
年中甘い誘惑 止まんねぇトキメキ
「おしょうしな」じゃないけんど、感謝は無限大
道の駅国見で バーガー頬張りスマイル全開
歴史ロマンとフルーツの街
みんな寄ってがっせ、ハイタッチ!

ピンクに染まる桃源郷(Pink! Pink!)
噛めばジュワッとあふれ出す果汁
ゴールドに輝くコシヒカリ(Gold! Gold!)
ふっくら炊き立て 最高のごちそう
「うめぇから食ってみらんしょ!」
国見の風に乗って届けるメロディ
ここがうぢらのワンダーランド
Sweet & Shining, Kunimi Town!

義経も愛したこの大地で
今日も響かせるうぢらの声
んだば、また国見で会おうね!
Kunimi girls, sign out... Peace!

全国トップクラスを誇る「果物の町」と太陽の恵み

国見町といえば、何と言っても「くだものとコシヒカリの町」です。役場でお話を伺うと、開口一番に返ってきたのが「一番はやっぱり桃ですね」という力強い言葉でした。

実は国見町、かつて「町の部」で全国一の桃の生産量を誇ったこともあるほどの屈指の産地です。主力品種は7月下旬から8月上旬にかけて最盛期を迎える「あかつき」。取材時はちょうど出荷の終盤に差し掛かる時期でしたが、年間を通じてさくらんぼ、すもも、ぶどう、りんご、そして冬の風物詩である伝統の「あんぽ柿」へとリレーが続き、1年中何かしらの果物が収穫されているといいます。

なぜ、これほどまでに良質な果物が育つのか。その秘密を尋ねると、担当者は「地形的に日照時間が非常に長いこと」を挙げてくれました。福島盆地特有の気候と長い日照時間によって、果実にたっぷりと太陽の光が注がれ、濃厚な甘みと旨味が凝縮されます。特定のブランド名をあえて冠さずとも、「国見町の桃」そのものが確かな品質の証として市場で高く評価されている理由がよく分かります。

また、果樹園が広がる丘陵地から平野部に目を向けると、豊かな水田が広がっています。阿武隈川水系の清らかな水と豊かな大地を活かし、福島県オリジナルブランド米「天のつぶ」等コシヒカリの米作りも盛んで、まさに自然の恵みが凝縮された農業王国です。

国見町(福島県)の現地取材写真:全国トップクラスを誇る「果物の町」と太陽の恵み

道の駅国見も「桃」一色。

国見町(福島県)の現地取材写真:全国トップクラスを誇る「果物の町」と太陽の恵み(2)

一面に広がっている田園。コシヒカリの町とも言われている。

義経伝説と地域に受け継がれる歴史の誇り

農業と並ぶ国見町のもう一つの大きな顔が、幾重にも重なる「歴史」です。町内を車で走っていると、至る所で「義経まつり」の文字を目にします。毎年9月23日の「国見の日」に開催されるこの祭りは、兄・頼朝に追われ平泉へと落ち延びる源義経がこの地を通ったという伝説に由来しています。

町内には、義経が休憩の際に腰掛けたと伝わる「義経腰掛け松」をはじめとする史跡が点在しています。驚いたのは、こうした文化財の周辺環境を、企画調整課地域振興係の職員の皆さんが自ら草刈り機を手に取り、定期的に手入れをして守り続けているという点でした。行政の担当者が自らの手で地域の歴史を大切に守り、次の世代へ繋ごうとする姿勢に、町への深い愛着と誇りを感じずにはいられません。

国見町(福島県)の現地取材写真:義経伝説と地域に受け継がれる歴史の誇り

義経腰掛け松

国見町(福島県)の現地取材写真:義経伝説と地域に受け継がれる歴史の誇り(2)

旧奥州道中国見峠長坂跡

国見町(福島県)の現地取材写真:義経伝説と地域に受け継がれる歴史の誇り(3)

阿津賀志山防塁

地域の活気と、地方が直面するリアルな課題

役場での対談では、担当者からいくつかの町内の拠点をおすすめ頂きました。

近代的なデザインが目を引く「観月台文化センター」は、町の文化・交流の中核施設として一般公開されており、町の歴史や文化を深く学ぶことができます。また、国道4号沿いにある「道の駅 国見 あつかしの郷」は、平日にもかかわらず多くの来訪者で大いに賑わっていました。直売所には朝採れの新鮮な果物や特産品が所狭しと並び、地元のお母さんたちが作る郷土の味が訪れる人々を温かく迎えています。

一方で、現在約7,700人まで減少した人口動態など、地方が直面する厳しい現実についても率直に伺いました。全国平均を上回るペースで進む人口減少に対し、東京での移住フェアへの出展など積極的なプロモーションを続けているものの、すぐに劇的な成果へ結びつけることの難しさも実感されているとのことでした。

しかし、太陽の光を浴びて実る圧倒的な果物の力、豊かな食文化、そして住民の手で大切に守られてきた歴史遺産という唯一無二の「宝」が、この国見町には確かに息づいています。これらをいかに現代の価値観に合わせて磨き上げ、都市部や世界へ届けていくか。私たちが果たすべき役割の大きさを改めて噛み締める訪問となりました。

国見町(福島県)の現地取材写真:地域の活気と、地方が直面するリアルな課題

道の駅国見 あつかしの郷

国見町(福島県)の現地取材写真:地域の活気と、地方が直面するリアルな課題(2)

江戸時代の農家の特徴を残す「旧佐藤家住宅」

国見町(福島県)の現地取材写真:地域の活気と、地方が直面するリアルな課題(3)

奥山家住宅

国見町の情報まとめ

福島県の北東部、伊達郡に位置する人口約7,700人の町。阿武隈川の北岸、宮城県との県境に位置し、古くから奥州街道の宿場町や交通の要衝として栄えた。国指定史跡「阿津賀志山防塁」など源義経や奥州藤原氏にまつわる歴史遺産が多く残る。盆地特有の長い日照時間と昼夜の寒暖差を活かした農業が極めて盛んで、豊かな自然と歴史が調和した町である。

産業: 果樹栽培を中心とする農業が基幹産業。特に桃は「町の部」で全国一の生産量を記録した実績を持つ。米作りも盛んで「天のつぶ」やコシヒカリを生産。

文化・観光: 毎年9月23日に開催される「義経まつり」や「阿津賀志山防塁」などの史跡が有名。「道の駅 国見 あつかしの郷」や「観月台文化センター」が観光・交流拠点となっている。

グルメ: 主力品種「あかつき」をはじめとする高品質な桃、伝統製法の「あんぽ柿」、さくらんぼやりんごなど多彩な果物。国見バーガーなどのご当地グルメも親しまれている。

今回お話を伺った方

国見町役場 企画調整課 地域振興係 ご担当者様 国見町の地域振興、移住定住促進、文化財の維持管理や観光プロモーションなど幅広い業務を担当。町外出身(隣接する伊達市出身)ならではの客観的な視点も交えながら、国見町が誇る果物のポテンシャルや歴史資源の魅力を実直に発信されている。

筆者プロフィール

福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ 代表取締役。1975年愛媛県生まれ。18歳で渡米し、異文化の中で「日本の価値」を再認識。帰国後、株式会社ユーグレナの創業に参画し、取締役として東証一部(現プライム)上場に貢献。「ミドリムシで地球を救う」活動に20年捧げた後、2025年、原点である地方創生を目指し「ニホンノチカラ」を創業。全国1,718市町村を巡り、地方の宝を発掘する「1718ニホン探索」を継続中。

福本拓元(株式会社ニホンノチカラ代表)