合併から20年、観光・農・工が響き合う「調和の街」の底力

伊豆の国市(静岡県)ーー1718ニホン探索(3/1,718)

伊豆半島の玄関口、伊豆の国市

「1718ニホン探索」プロジェクト、3番目の目的地として私が訪れたのは、静岡県伊豆の国市です。伊豆半島の玄関口に位置し、豊かな自然と歴史の香り漂うこの街で、市役所の観光文化課を訪ねました。

お話を伺ったのは、観光文化課の2名の担当者様です。外勤直前というお忙しいタイミングにもかかわらず、快くインタビューに応じてくださったお二人の真摯な姿勢に、まずは心から感謝申し上げます。

訪問先のオリジナルソングを作っています。ぜひブログと共にお楽しみください。

Yo, Check it out.
狩野川の流れ、止まらない Time goes by.
静岡、東部の要。
源氏の再興、北条の野望、全部ここに刻まれてる。
伊豆の国市、My hometown. 準備はいいか?
まずは反射炉、世界遺産の鉄の意志 
江川太郎左衛門、未来見たその目、ガチでリスペクトし、
歴史のページをめくれば北条義時 
鎌倉の幕開け、この地がオリジン 
頼朝が潜んだ蛭ヶ小島(ひるがこじま) 
夢を語り合った夜、静かなる島 
時を超え今、俺らが繋ぐこのバトン 
「いいとこだら?」って笑う、これが地元(ジモト)のトーン。

I-Z-U 伊豆の国 City
富士を背負って 走るこの道
イチゴのように甘い思い出、詰め込んで
「いいとこだら?」って胸を張って言えるもんで
歴史と未来が交差する街
伊豆の国、ここで生きる価値。
歴史と未来が交差する街
伊豆の国、ここで生きる価値。

朝靄の狩野川、鮎が跳ねる水面 
ベニホッペ、頬張れば広がる甘い夢の音 
パノラマパークから拝む、日本一の嶺 
富士山はいつだって、俺らの誇りだもんで 
仕事帰りに浸かる、古奈(こな)の湯の熱さ 
長岡の温泉(いでゆ)が、癒やす日々の切なさ 
「だもんでさ、明日はもっと良くなるずら?」 
なんて仲間と語る、足湯の溜まり場。

葛城山から見下ろす街並み 
時代が変わっても、変わらないこの温かみ 
あやめ祭の灯り、夜を彩り 
守り抜くべきは、この街の美学(しおり)。

I-Z-U 伊豆の国 City
富士を背負って 走るこの道
イチゴのように甘い思い出、詰め込んで
「いいとこだら?」って胸を張って言えるもんで
歴史と未来が交差する街
伊豆の国、ここで生きる価値。
歴史と未来が交差する街
伊豆の国、ここで生きる価値。
伊豆の玄関口、ここが始まりの場所。
歴史が息づき、人が交わる。
「また来やぁね、この街に」
伊豆の国市、永遠(とわ)に。
Peace out.

I-Z-U 伊豆の国 City
富士を背負って 走るこの道
イチゴのように甘い思い出、詰め込んで
「いいとこだら?」って胸を張って言えるもんで
歴史と未来が交差する街
伊豆の国、ここで生きる価値。
歴史と未来が交差する街
伊豆の国、ここで生きる価値。

3つの個性が溶け合う「バランスの取れた行政区」

対談の中で、私が最も興味深く感じたのは、伊豆の国市の「成り立ち」と「現在地」の関係性です。 2005年、伊豆長岡町、韮山町、大仁町が合併して誕生したこの市ですが、担当者の方によれば、合併前の3町はそれぞれ全く異なる「顔」を持っていたといいます。

「韮山は農業、伊豆長岡は観光、そして大仁は工業。かつて別の特徴を持っていた3つの地域が一つになったことで、今の伊豆の国市は、非常にバランスの取れた総合力のある自治体になっています」

この言葉を聞き、私は地方創生のヒントを確信しました。多くの地方自治体が「一本足打法」の産業構造で苦しむ中、伊豆の国市は「観光・農・工」という強力な三本の柱を、一つの行政区の中に共存させているのです。これは、変化の激しい現代において、リスクに強く、かつ多様なアプローチが可能な「強い組織」の姿そのものです。

伊豆の国市街地

狩野川から眺める富士山

歴史を「点」から「面」へ。5月オープン予定の歴史館への期待

伊豆の国市といえば、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時ゆかりの地として一躍脚光を浴びたことが記憶に新しいでしょう。しかし、ブームを一過性で終わらせないのが、この街の粘り強さです。

「新しい観光の拠点として、今年5月に『伊豆の国歴史館』がオープン予定です。ここを核として、さらに歴史文化の発信に力を入れていきたいと考えています」

私は、この「歴史館」の再編に大きな期待を寄せています。単なる資料展示の場ではなく、世界遺産である「韮山反射炉」や北条家ゆかりの寺社仏閣を繋ぐ「ストーリーの起点」になるはずだからです。起業家としての視点で見れば、これは「地域ブランドの再定義」です。1000年以上の歴史を現代の価値観に翻訳し、訪れる人に体験として提供する。その挑戦の最前線に、彼らは立っています。

「LOVOT」が生まれる場所。最先端工業と伝統の共生

さらに驚かされたのは、この歴史深い街が「最先端のモノづくり」の拠点でもあるという事実です。 インタビューの中で、伊豆の国市では家庭用ロボット「LOVOT(らぼっと)」などの生産も行われているというお話がありました。

世界遺産の反射炉(=かつての最先端工業)がある街で、現代の最先端ロボットが生まれている。この時空を超えた産業の連続性に、私は言いようのないロマンを感じました。 韮山エリアを代表とする質の高い農業、伊豆長岡温泉のホスピタリティ、そして大仁エリアを中心とした高度な製造業。これらが分断されることなく、一つの「伊豆の国」というブランドの下で有機的に繋がることが、この街の未来を拓く鍵になるでしょう。

碧テラスから眺める富士山と駿河湾

私が見た「伊豆の国市」の未来

今回の訪問を通じて感じたのは、伊豆の国市が持つ「懐の深さ」です。 古くからの歴史や伝統を大切に守りながらも、新しい産業やドラマのブームといった追い風をしなやかに取り込む力。それは、担当者の方々の言葉の端々に宿る「自分たちの街への誇り」から生まれているのだと強く実感しました。

「観光・農・工」の三位一体。この稀有なバランスを武器に、伊豆の国市がこれからどのような新しい価値を日本に、そして世界に提示していくのか。私はこれからも、この街の挑戦を追い続けていきたいと思います。

訪問日:2026年2月3日(火)

伊豆の国市の情報まとめ

静岡県東部の伊豆半島北部に位置する、人口約4.6万人の都市。2005年に3町が合併して誕生した。伊豆長岡温泉や伊豆パノラマパークなど、年間を通じて多くの観光客が訪れる。

産業: 「観光・農・工」のバランスが非常に良い。農業では県内屈指の収穫量を誇るいちご(紅ほっぺ等)が有名。工業面では高度な製造技術を持つ企業が集積しており、最先端ロボット「LOVOT」の生産拠点があることでも知られる。

歴史・観光: 世界文化遺産「韮山反射炉」をはじめ、北条義時公ゆかりの願成就院など、歴史的遺産が豊富。2026年5月には、地域の歴史を深く発信する「伊豆の国歴史館」がオープン予定。

グルメ: 名産のいちごを贅沢に使ったスイーツが人気。また、狩野川の鮎や、地元の新鮮な野菜を活かした料理も豊富で、食の魅力が非常に高い地域である。

今回お話を伺った方

伊豆の国市 観光文化課 担当者様 伊豆の国市の観光振興を担う。外出前のお忙しい中ご丁寧な対応を頂きました。

筆者プロフィール

福本 拓元(ふくもと たくゆき) 株式会社ニホンノチカラ代表取締役。愛媛県新居浜市出身。株式会社ユーグレナ共同創業者として東証プライム上場を果たす。2026年より地方創生を目指す起業家として、「1718ニホン探索」プロジェクトを開始。全国1,718市町村を自ら回り、地域のリーダーとの対談を通じて、日本の可能性と課題を世界に発信している。